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お寺の門と人との関係を考える
覚成寺の門/愛知県春日井市（2015）
お寺の門と塀をメインに庭や駐車場部分を含めた広範囲にわたって設計をおこなった。市の保存樹となっている大きな桜の木があるこのお寺には、桜の木を観に来る人々もいる。門の建て替え以前はプライバシーを保つ事が難しい状態であった為、門を建て替えるにあたりプライバシーを保った上で桜を観てもらえる環境に変えたいという要望があった。
配置は人と桜との距離があまり離れず、塀の外からも桜を間近に感じられるように検討をした。門は、威圧感が無く控えめで軽快感があり、訪れる人々に楽しんでもらえるように動きがあるものにしたいと思った。門の壁を構成する横格子を二重にして、人が動くと横格子の壁との距離によって格子の透け方が変化するように動きを表現した。また、同様に門の天井も二重の格子になっており人が立つ位置によって見え方が変化する。その他、鐘楼を門と一体化してシンプルにまとめ、門の外側には庭を設ける事によって奥行き感を出した。門に向かって歩きながら桜や庭を楽しんでもらいたい。
写真・文：TAKANORI TOGO
門の構造の全てを見ることができる。
奥行きのある天井格子のディティール。
横格子の角部分。階折釘で留めている。
軒先の瓦は無地鎌軒瓦。建具の板は5mmの隙間を開けている為、微かに向こう側が透ける。
引き戸のレールは鉄製で梁からは浮かせて設置。美しい赤錆。
目線の高さのみ向こう側が見えない二重の横格子。
門：木造平屋建て
塀：木造土塗り壁・竹壁
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